日記

30代前半にこの手の話を夫とずいぶんした。

私には「子供を持ちたい」という欲求があまりにも少なく、夫には普通にあった。夫は私の屁理屈(今となっては)にかなり根気よく付き合ってくれた。めんどくさくて放り投げてもよかったのに。

あまりにもわからなかった私は「何かわかりやすいもので例えてほしい」とリクエストした。夫は「カレーが好き、というのと同じで、理屈ではない」と答えた気がする。その「カレーが好き」ですとんと腑に落ちた。ああカレーが好きなのか、そりゃしょうがないな、そういうもんだよな……と理屈を超えた理解ができた。こんなめんどくさいヨッメにこつこつ向き合った夫はまじですごいと思う。

それから数年後、卵巣のう腫の手術の前か後か忘れたけど、「子供できにくかったみたい、ごめんね」と謝った。卵巣のう腫(正確にはチョコレートのう腫で子宮内膜症の一種)と子宮筋腫があるけど、これらのせいとは限らない、でも不妊の要因にはなり得る。ブライダルチェック受けとけばよかったなぁ、と思うけど、子供が予定外でできるのが怖くて避妊方法ばっかり詳しくなる(オタク的発想)若い頃を過ごしたので、あんまり気が進まなかったのは事実だ。

謝った私は続けて、本当に真面目に、「もし本当に子供が欲しかったら、他の人と作るという手はある」と告げた。夫は「○○が生きている方がいい」と言った。あとはいくつか、極めてプライベートな会話をして、この話は終わった。

私は30歳が高齢出産のラインだった頃を知っている世代だ。どんなに健康に気をつけても、ラインだけ35歳に引き上げられても、女性の身体がその分頑丈になったなんてことはなくて、もし計画的に妊娠と出産を考えるなら27〜28歳がおそらくベストだっただろう。しょうがない、その頃の私には知識はあっても心から妊娠を望む気構えは全くなかったんだから。

閉経してから書こうと思った話を、匿名ダイアリーの投稿を見てなんとなく今日書いておこうと思った。